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父の手術

医療

いきなりですが、わたしの父はまだ存命なのですが、ツンボなのであります。
まだ仕事をしていたころから片耳が遠く補聴器のお世話になっていたのですが、ふとしたきっかけで聴力が完全に失われ、もうかなり前からジェット機の騒音を聞き取ることができない両耳全ろう、障害者2級でございます。
他にも身体のあちこちがボロボロで、サイボーグのようにあちこち手術を繰り返しているのですが、だんだんと色々な症状が出てきても「加齢」で済まされ投薬のみの治療となり、正直もうこの先あまり長くはなさそうだなぁ、という気がしています。
そんな父が、先日ある手術で入院することになった時の話なのですが!
知人の紹介からその筋の手術では大変有名らしいお医者さんのクリニックにお世話になることになりました。検索してみるとナルホド、開業してから元いた大学病院でも診療を行っていて、年間トンデモない数の手術をこなしておられる。確かに任せておけば安心そうです。

その時はたまたま仕事でプロジェクトの切り替わりの時期だったので、普段盆と正月くらいしか顔を見せないことだしと一人で休みを取って日帰りで実家に戻り、入院の面倒を見ました。
繰り返しますが、わたしの父はツンボです。母と父と3人で病室に入り病院のスタッフの方からこれから受ける手術の説明を受けたですが、スタッフの方は筆談も取ろうとせず普通に話しかけ、母がそれを聞いています。
すぐに話を遮り「あの、父は聴覚障害者で、耳が全く聞こえないのですけど。。。」と病院のスタッフの方にお願いしたのですが、「あ、はい、わかっています〜」と言いながらそのまま説明を話し続けるのです。
「え?、え?、ちょっと、全然わかってないじゃないの!」と思いながら、その時はメモも持ってきていないのにこの込み入った話を伝えるのにどうしたものか果たして全部覚えられるかなと悩んでいたら、話の途中あたりでうちの父が「これでオムツお願いします」と百円玉を出してきたのです。
「え?、いったいなにいきなり突然?」と思ってると、「はいはい、後で準備しますね」とスタッフの方と母から言われ、ほどなくして説明も終わりスタッフの方は病室を後にしました。
「なんなのこれはいったい?」と母に聞くと、手術の前にトイレには行くんだけど、手術が長くなって我慢できなくなった時のために念のため履かせるものだ、障害者なので医療費はタダなのだけどオムツなどの消耗品は実費なのでお金は払わないとならない、これに書いてあるから読んでみろ、と冊子を渡されました。
と、なんのことはない、説明の内容はその冊子に全部書いてあったのです。とは言え、細かい字でたくさん書かれた説明など隅々まで読む人は少ないでしょうから、口頭の説明は、それの大事なところを念押しで説明したものだったのでした。おいおい、それなら最初から言ってくれよ --;;;
父は元教師のインテリですので、おそらく事前にその冊子は隅々まで熟読しており、当日に説明されるまでもなく頭に入れていたのでしょう。それでそろそろ話が最後のころだろうという頃合いを見て、オムツの話を出してきた。そんな100円とか細かいことは今じゃなくてもいいじゃないとわたしは思うのですが、昔の人なのできちんとしておきたかったのでしょう。でも、それならそれでスタッフの方には最初に父に「冊子は読まれましたか?」と筆談で確認して欲しかったところなのですけど。
たまたま父が細かい文章を読むのが苦でない人だったからよいけど、その冊子の説明も平易な文章ではなくイラストなどもない文字の羅列で、これ聴力障害者だけでなく日本語がそれほど得意でない外国人が受診しに来たらどうすんだろう?、今の医療現場ではとてもそんなコストかけてられないよなぁ、などと色々なことを考えながら、父の手術が終わるのを待っていました。

さてさらにその後の後日談なのですが。。。
手術後の通院の際に、お世話になった先生が紹介してくれた知人の方の話を母にしたというのですが、冗談交じりに「まったくややこしい患者さんばかり紹介して」と言ってたそうです。
。。。ややこしい患者で悪かったな、こちらだってなりたくてツンボになったわけじゃないわ、と、わたしその場で聞いていたら、その先生のことをブン殴っていたかもしれません。

かくもまぁ医療不信というのは、こういったつまらないところの行き違いで起きるのだろうなぁ、と実感した経験でした。ま、そんなんで、わたしの同級生にもその大学病院に勤めているドクターがいることですし、父が何の手術をしたか、これってどこのクリニック?、といった話はナシということで、よろしくおねがいします。
。。。と、なんで他のSNSもあるのにイマサラblog?、というと、この手のちょっとややこし目のネタを書き留めるためであります ^^